2. 腎臓病の治療について

2-6. 腎移植

腎不全や慢性腎臓病により、腎機能が極端に低下している場合に検討される「腎移植」についてご説明します。

腎移植の特徴・仕組み

キド兄さん

腎臓移植は、腎不全や慢性腎臓病の進行が進んでいる場合に行われる治療法のひとつで、薬物療法や透析療法の効果がなく、腎機能が極端に低下している場合に検討されるんだ。

適応症

腎臓移植は、慢性腎臓病の最終段階で透析が必要な患者や、特定の遺伝性腎臓疾患の進行が著しい場合に検討される。一部の自己免疫性腎炎や先天性異常も移植の適応となることがある。

ドナー

腎臓移植には、生体ドナー(生きた人からの臓器提供)、または脳死ドナー(脳死状態にある人からの臓器提供)がある。生体ドナーでは一般的に親族や血縁者がドナーになることが多いが、非血縁者や友人からの提供も可能。

手術の種類

腎臓移植手術には、腹腔鏡下手術(腹腔鏡を用いた手術)や開腹手術がある。近年では患者への負担が小さいとされる腹腔鏡下手術が主流となりつつある。

免疫抑制療法

移植後は、拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬が投与される。これにより、ドナーの腎臓が受け入れられやすくなるが、同時に感染症や他の副作用のリスクもある。

日本における腎臓移植の状況

キド兄さん

日本では、透析を受けている患者さんが34万7,474人人(2022年末時点)いるのに対して、腎臓移植を受けた患者さんは1,782人(2022年末時点)に留まり、まだまだ少ない状況なんだ。

臓器提供者が不足しているため、移植待機者の数が増えているのが現状とも言える。

そのため日本では、臓器提供率の向上を目指す取り組みが進められていて、啓発活動や法改正も行われているよ。

キド姉さん

臓器提供の意識向上や、移植の推進などをもっと進めて、移植待機者が減るといいね。

jdsc
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