2. 腎臓病の治療について

2-1. 生活の改善

どの進行ステージでも行われる「食事療法」による生活の改善についてご説明します。生活が改善されると腎臓の負担が軽減されます。

食事療法のポイント

キド兄さん

腎臓病は、腎臓がもつ体内の水分バランスや電解質の調整といった機能を低下させてしまう。だから腎臓の負担を軽減しながら、体内の余分な物質の蓄積を抑えることが必要で、そのために食事療法が行われるんだ。

療法❶たんぱく質の制限

  • たんぱく質の過剰摂取は腎臓に負担をかけるため、摂取量を制限する。
  • 高品質なたんぱく源(卵、乳製品、鶏肉など)を選び、かつ適切な量を摂取する。

療法❷塩分の制限

  • 腎臓病のリスク要因である高血圧や浮腫を防ぐために、塩分の摂取を制限する。
  • 加工食品や市販の調味料、スナック類などの高塩分食品を控える。

療法❸カリウムの制限

  • 腎臓の機能が低下するとカリウムの排泄が難しくなり、高カリウム血症を発症するリスクが高まるため、カリウムの摂取を制限する。
  • バナナ、オレンジ、トマトなどの高カリウム食品は注意して摂取する。

療法❹リンの制限

  • 腎臓の機能が低下するとリンの排泄が難しくなることがあり、高リン血症を発症するリスクが高まるため、それを予防するために、リンの摂取を制限する。
  • 加工食品や缶詰、ファーストフードなどのリンが多く含まれる食品に注意する。

療法❺水分の制限

  • 尿量が増加する場合は、適度に水分を制限する。ただし、個々の状態により異なるため、医師や栄養士の指導を受ける。

療法❻適切なカロリー摂取

  • 栄養失調を防ぐために、適切なカロリーを摂取する。たんぱく質の摂取を抑えているため、エネルギー源として脂質や炭水化物を考慮する。

療法❼ビタミンとミネラルのサプリメント

  • 食事から十分なビタミンやミネラルが摂れない場合は、医師や栄養士の指導のもとでサプリメントを検討する。

これらの食事療法や制限する量は、患者の個別の状態や進行度合いによって変わることがあるから、医師や栄養士の指導に従い、定期的に健康状態を確認することが大切だよ。

キド姉さん

あれもダメ!これもダメ!ってことじゃなくて、その時の状態や進行度合いによって適量があるから、その量に気をつけながら摂取すればいいんだね。

食事療法の基準

キド兄さん

参考までに、ステージごとの各物質の摂取制限の基準を紹介しておくよ。この基準値をみながら栄養士と食事計画を立てたりすることもあるんだ。

キド姉さん

数字だけ見ても、何をどのくらい摂取位していいのかわからないと思うから、お医者さんや栄養士に相談するのがいいわね。「あれが食べたい!」「じゃこのくらいにしておきましょうね」みたいな感じなのかな。

jdsc
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