2. 腎臓病の治療について

2-4. 腹膜透析

患者さんへの負担が少なく、残存腎機能の保持と生活の質の維持に寄与する「腹膜透析」についてくわしくご説明します。

腹膜透析(PD)の特徴・仕組み

キド兄さん

腹膜透析(Peritoneal Dialysis, PD)は、透析治療の一種で、腹膜と呼ばれる腹部内側の膜を利用して、体内の老廃物や余分な液体を除去する方法で、具体的には腹腔内に透析液を注入して、一定時間貯留した後に血液中の尿毒素や塩分・ 水分が腹膜を介して透析液に移動、その後透析液を取り出すことで血液浄化が行われる仕組みだよ。腹膜透析は、通院が月に1〜2回と比較的少なく、自宅や職場で治療が行えるため、患者さんは比較的自由な生活を送ることができるんだ。

腹膜透析(PD)の主な特徴を挙げてみるよ。

  • 体内の腹膜を使って、血液中の老廃物や余分な水分を除去する。
  • 毎日緩やかに透析を行う。
  • 通院は月1~2回程度。
  • 腹膜透析を始める前に、カテーテルと呼ばれる透析液を交換するためのチューブをお腹に埋め込む手術を行う。
  • 自宅や職場、学校でも可能で、生活スタイルにあわせた治療が行える。
  • 治療は、患者さんご自身・ご家族で行える。
  • 個人差はあるが、透析導入後でも残っている腎臓の機能をより長く保つことができると言われている。
キド姉さん

腹膜透析なら仕事も続けられそうだし、趣味ややりたいこともできそうね。

腹膜透析の種類

キド兄さん

APD(自動腹膜透析、Automated Peritoneal Dialysis)

  • 就寝時に自動的に行う透析方法。
  • 寝ている間に機械が透析を行うため、昼間は比較的自由に行動することができる。
  • APDは患者が機械に接続され、透析の各段階が自動的に管理される方法で、透析液の注入、滞在、排液が機械によって制御される。
  • APDは機械が透析液を注入し、一定の時間滞在させ、その後排液を行う透析サイクルを、複数回、自動的に行う。

CAPD(連続携行式腹膜透析、Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis)

  • CAPDは手動で透析を行う方法で、患者が透析液の注入、滞在、排液を手動で管理する。
  • 一回の交換にかかる時間は約30分程度。
  • CAPDは日中でも行えるため、日中も透析液を持ち歩きながら通常の活動を行うことができる。
  • CAPDでは通常、日中に数回の透析サイクルが行われるが、患者が手動で透析を制御するため、柔軟にスケジュールを調整できる
キド姉さん

お医者さんや看護師さんに、自分の生活スタイルや、家庭や仕事との調整のしやすさなどを伝えた上で、体調、症状、進行具合もみながら、その時々の状況に最適な方法を選択できるってことかな。

jdsc
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