1. 腎臓と腎臓病のこと

1-1. 腎臓のはたらき

体内の浄化工場とも言われる腎臓。老廃物や余分な水分を排出したり、血液の水分や電解質を調整したり、健康な体を保つために欠かせない臓器です。

腎臓のろ過機能

キド兄さん

まずは、腎臓の主なはたらきである「ろ過機能」をステップで説明するよ。

ステップ❶血液の到達

腎臓には腎動脈を通じて1分間に1,000ミリリットルくらいの血液が、心臓から送られるんだ。腎動脈は腎臓内に入って、小さな血管である毛細血管が分岐して糸球体を形成するよ。

ステップ❷糸球体での「ろ過」

糸球体では、血液中の水分や溶解した物質(老廃物、塩分、糖分など)がろ過される。このろ過によって作られるのが原尿。原尿には体に必要な物質と老廃物の両方が含まれているんだ。

ステップ❸尿細管への移動

生成された原尿は、尿細管と呼ばれる管を通って次の段階に進むよ。尿細管は糸球体から出て、腎臓の深部に広がっているんだ。

ステップ❹必要な物質の再吸収

尿細管や、ネフロンを構成するひとつである集合管といった腎臓の部位で、体に必要な物質(水、電解質、糖分、アミノ酸など)が体内に再吸収されるんだけど、この過程で、体内の水分や電解質のバランスが調整されるんだ。

ステップ❺尿の形成

細管や集合管を通って腎盂に集まり、最終的に尿として膀胱に送られるよ。この過程で、体に不要な老廃物や余分な水分が尿に含まれ、体外に排泄されるんだ。

キド姉さん

ろ過でまず原尿をつくって、その後に必要な物質と不要な物質を選別してるのかぁ、思ったよりフクザツ...。あ!でもこの手順だから、水分や電解質のバランス調整もできるってわけね!

腎臓のはたらき

キド兄さん

では、ろ過機能をふまえて、腎臓のはたらきをまとめるよ。

❶ 血液の浄化 / 老廃物や毒素の排泄

  • 腎臓は血液を浄化し、老廃物や毒素を取り除く役割を果たしている。
  • 全身をめぐる血液から、1日に150リットルともいわれる膨大な量の血液をろ過し、その中の老廃物や毒素を尿中に排泄する。
  • このプロセスによって、血液を清潔な状態に保ち、体内にたまった老廃物や毒素を排除できる。

❷ 体内の水分バランスや電解質の調整

  • 腎臓は体内の水分と電解質のバランスを維持する重要な役割を果たしている。
  • 水分や電解質(ナトリウム、カリウム、リン、カルシウ ム、マグネシウムなど)の量が適切でないと、体内の環境が不安定になるから、腎臓はこれらの量を調節することで、体内の水分バランスや電解質の正常な濃度を保っている。

❸ ホルモン分泌とその調節

  • 腎臓は様々なホルモンを分泌し、体内の機能を調節する。
  • エリスロポエチンは赤血球の生成を促進し、アンギオテンシンは血圧を上げる役割を果たす。
  • レニンという酵素はこれらのホルモンの分泌を調節し、プロスタグランジンといった局所ホルモンを分泌する。
  • さらに、ビタミンDの活性化を助け、骨の形成に関与するカルシウムの吸収も調整している。
キド姉さん

いらないものを取り除いたり、バランスをとったり、体の機能まで調節したり... 腎臓って人間の体にとってすごく大切な臓器なんだね!

jdsc
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